映る水が美しいのはそういうことか「正欲」、水木とゲゲ郎で掛け算したい気持ちもわかる「鬼太郎誕生」

ここ最近観たもの。

 

正欲


原作未読、事前情報ほぼゼロで鑑賞。

夏月(新垣結衣)が寝そべるベッドが浸水していくシーンがなんか官能的で、ん?となり、佳道(磯村勇斗)への執着というかなんというか、の様子にん?となり、中盤くらいでようやく、彼らの背景が見えてくる。

この世界は自分のためには作られていない、自分はこの世界で普通にふるまえないとずっと感じている人の孤独さや傷と、自分の普通が揺るがされてしまう人の孤独や傷の対比がヒリヒリする。

夏月と佳道のベッド上でのシーン、おもしろく愛しく、とても美しくて、この映画の中で一番好き。このシーン観られただけでも劇場に行ってよかった。

役者さんのお芝居もみんな素晴らしかった。新垣結衣はこんなにかわいくない表情もできるのか、前半食べるシーンのごはんが全く美味しくなさそうで良かった。

水の描写も美しかった。

 

ただ、最近の公園の水道の蛇口って使いすぎ防止のために水圧を弱めているところが多いような気がするので、勝手にフラッと行ってあんなに魅力的な水の表情を撮るのは現実には難しいかもなとかどうでもいい邪念がよぎってしまった。

 

 

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎


ノーマークでしたが評判が良さそうだったので鑑賞。

8割は埋まってました、小さいスクリーンだったのがもったいない。

ゲゲゲの鬼太郎、今まで一度もちゃんと観たことはないのですが、きちんと楽しめた。良作だな〜と思いました。

戦争の描写、上官がすごく嫌なやつ。それだけに、水木の変化は希望そのものだなと思う。

閉鎖的なイエとムラとうごめく恨みつらみと戦うゲゲ郎こと目玉のおやじ、飄々としててかっこよかった。

しかし、ムラ社会の中で生きざるを得なかった女の子と、そこに浸りきる前の男の子の結末の差、だいぶ残酷だな…


汽車の中で子どもが咳してても誰も煙草やめない、床はゴミいっぱいなの個人的には昭和ってこんな感じの時代だよね…という感じで良かった。

あの村にはモデルあるのかなぁ。あれだけ険しい山の中で、あれだけ田んぼがひらけているの、なんかちょっと違和感でした。でもそれが不気味でよいのかな。